一斉授業で知識を詰め込んできたこれまでの教育風景が、アクティブ・ラーニングの導入によって変わろうとしています。しかし、大学生や高校生、中学生の授業を新しく変化させていくならば、その時代にむけての基盤の力を育てる小学生には、どのような学びが必要なのでしょうか。そのヒントとなるセミナーが学習塾RAKUTO(ラクト)で開催されたので、様子をお伝えします。
小学生時代だから育つ “新大学入試”につながる能力
セミナーは、「アクティブ・ラーニングで子どもの学びが変わる ~2020年からの新大学入試につながる能力は、小学生時代に育つ~ 」。6月に、田園調布・ひばりヶ丘・府中の東京3会場で開催されました。
内容は、今の小学生に関わるなら知っておきたい教育改革にまつわる情報と、小学生時代だからこそ育てられる能力について。小学生の能力を引き出すためのアクティブ・ラーニング型の授業を提供してきたRAKUTOならではの具体的な事例紹介もあり、福島美智子代表の話に、教室内外から集まった小学生保護者のみなさんが、耳を傾けました。
現在の小学生は“新大学入試”を「初めて受けていく」世代
国をあげての教育改革とこれからの社会の問題は、小学生の子育てからほど遠くも見えますが、実は、今の育児の選択と密接につながっています。現在の小中学生は、新しい大学入試を初体験していく世代で、新テストは、今の中学生が大学受験する頃に始まり、小4以下の子どもたちが大学を受験するときには、完全に実施されている予定なのです。
新しいテストは開発中で、それにむけての小中高の教育もまだ整っていません。アクティブラーニング導入などが鍵とされ、教育現場では急ピッチで研究や実践が進められていますが、今の子どもたちは、改革の途上の不安定な教育現場で育ち、前例のない大学入試を体験することになります。
“入試”だけでなく 将来の“仕事”や“暮らし”に関わる能力
ここまで急いで大幅な改革をする理由はいくつかあり、たとえば、彼らが大人になった時に人口減少などの問題が起きることがデータでも明らかになっています。そのほかにも、これまでの教育で育ててきた力では太刀打ちできないような、切実な社会問題が山積みの時代が来ると言われているのです。
そんな時代に、まずは大学入試を変えることで教育全般を変え、求められる人材を育てていくことが、今、国が掲げている教育の目標です。そして、この新しい大学入試につながる、人としての力は、小学生時代にこそ育つのだと、今回のセミナーでは、語られました。
中学入試も変化。アクティブラーニングのための力は?
今、小学生をとりまく学習環境にも、すでに変化の兆しが見えます。この日は、中学入試の最新動向も伝えられましたが、さまざまな傾向が見られる中、“小学生に求められる力”も変わっていくようです。思考や表現の力を問う入試も登場していますし、最近の私立の中学校の学校案内は、「アクティブ・ラーニング」を始めとする、新しい教育にまつわるキーワードでいっぱいです。
では、アクティブラーニングで力を発揮し、将来もいきいきと社会に関わり、幸せな人生を送るためには、小学生のうちにどのような学びをして、どのような力を育てることが求められているのでしょうか。
残念ながら、その答えは、新しいタイプの中学入試を見るだけでは、まだはっきりとわからないように思います。
大学生がとりくむアクティブラーニングの基礎を、高校生や中学生のうちに育成する取り組みが、今、各校で始まっているところです。先進的なとりくみが注目されている学校もあり、研究や研修が進んでいます。
しかし、思春期前の小学生は、脳の発達段階も異なります。中高生と同じ課題や取り組みを単純に簡易化して、学習すればよいというものでもありません。その内容についていける早熟な小学生が、将来、力を発揮する子どもであるとも言い切れないはずです。発達段階を考え、思考が作られていくしくみを考えるときに、思考力や表現力を育てるために、小学生時代の教育がもつ意味と有効な学び方が見えてくるのではないでしょうか。
小学生の脳を、小学生にあった形で活性化させる
この日のセミナーでは、小学生向けに開発されたアクティブラーニング型の学びで脳を活性化させ、楽しく学習している子どもが、どのようにいきいきと、深く、豊かに、考え、表現し、学ぶのかという、RAKUTOの事例も伝えられました。海外のビジネス界でも注目されている最先端の能力開発法や、一般の大人も知らないような豊富知識を、子どもたちが、人とコミュニケーションしながら、国語・算数・理科・社会の学びとして、それぞれの発達段階や個性にあった形で身につけ、活用し、学びを深めていく姿です。
子どものうちから自分で考え、意欲と興味をもって世界の様々を捉えて表現していく。この意識や能力こそが、中学高校以降でのアクティブラーニングや、その先の社会で、思考を強化し続け課題解決する力を発揮していくのだろうと思われます。
RAKUTOでは、子どもの脳に合わせた形で開発してきたオリジナルのマッピング(マインドマップ)術が使われています。子どもたちは、発想力や整理力を創造的に引き出すといわれる、マッピングを低学年のうちから駆使し、高学年になると、自分なりのアイデアと整理分析で、充実した資料を自力でまとめて作れるようになっていきます。
また、従来型の“学力”を単純に否定することへの危惧や、「アクティブラーニングでは、“学力”が育たない」という誤解についても、語られました。いわゆる受験塾と異なり、入試や成績アップを最終ゴールとしない少人数の教室ですが、この日、成績が返却されたばかりの全国12万人が受験する全国統一小学生テスト(四谷大塚主催)で上位の成績をとった子ども、アクティブラーニング型の授業で多く育っていることが報告されました。
“思考できる脳”をつくる時期と方法を見きわめる
RAKUTOは、教育改革でアクティブ・ラーニングが話題になる前から、子どもたちの脳が本当に活性化する学びや、一生使える思考力の構造、国際社会を生き抜く力の育成について考えてきた塾です。小学生の脳が活性化する方法をふんだんにとりいれ、この時期だからこその学びを逃さない、国語・算数・理科・社会・英語などを教科を本質から捉える、独自の授業法を開発してきました。
小学生でも、しっかり脳を育てれば、大人顔負けの力を見せますし、発達段階的に中高生のミニチュアのようなことはできなくても、その年齢になった時に大きな力を発揮する素地をもっています。
アクティブ・ラーニングの時代だからこそ、小学生の時期でなければ育てられない力と、その育て方を、しっかり見極めて大切にしていくことが、求められているのではないでしょうか。
親子で思考創造☆マッピング術《アクティブラーニングセミナー》
今回の記事でもご紹介した、「マッピング」を使った親子講座を、MediaRAKUTO主催で開催します。
オリジナルの「高速・サイエンスソング」も使用! 私たちが直面している社会課題や自然の豊かさに触れるテーマと、ビジネス界でも注目の「脳科学ツール」から開発された授業法、「脳を働かせ続ける」のに必要な要素と言われる「楽しさ」もふんだんに取り入れた、RAKUTO流のアクティブラーニング講座に、ぜひ親子でご参加ください。
脳を活性化して、学びを進める工夫満載の講座です!